ただの風邪だと思っていませんか?インフルエンザと普通の風邪の見分け方

こんにちは。入谷耳鼻咽喉科の副院長、入谷啓介です。
朝晩の冷え込みが強まり、空気が乾燥する季節になりました。この時期になると、診察室では「熱が出たけれど、風邪なのかインフルエンザなのか分からない」というご相談が増えてきます。
どちらも発熱やのどの痛みなど似た症状が出るため、見分けるのは意外と難しいものです。ただ、インフルエンザは普通の風邪に比べて症状が重くなりやすく、合併症にも注意が必要です。今回は、インフルエンザと普通の風邪の違いと、受診の目安についてお話しします。
〇そもそも「風邪」と「インフルエンザ」は何が違うの?
一般的に「風邪」と呼ばれるものは、医学的には「かぜ症候群」といいます。鼻やのどに起こる急性の炎症の総称で、原因となるウイルスはライノウイルスやコロナウイルスなど200種類以上あるといわれています。
一方、インフルエンザは「インフルエンザウイルス」に感染して起こる病気です。感染力がとても強く、毎年冬を中心に流行します。風邪の一種と思われがちですが、全身に強い症状が出る点が大きく異なります。
〇症状にはどのような違いがある?
見分けるポイントは、「症状の出方」と「症状が出る場所」です。
普通の風邪の主な特徴
・症状はゆっくり始まることが多い
・熱は37〜38℃程度の微熱から中程度
・鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛みなど、鼻やのどの症状が中心
・全身のだるさは比較的軽い
インフルエンザの主な特徴
・症状が急に始まる
・38℃以上の高熱が出ることが多い
・寒気、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強い
・強いだるさで起き上がるのもつらいことがある
・鼻やのどの症状は、少し遅れて出てくることもある
「朝は元気だったのに、昼過ぎから急に高熱が出て体の節々が痛い」というような場合は、インフルエンザの可能性が高いといえます。
〇インフルエンザで気をつけたい合併症は?
インフルエンザは多くの場合1週間ほどで回復しますが、次のような方は重症化しやすいため注意が必要です。
・65歳以上の高齢の方
・乳幼児
・妊娠中の方
・ぜんそく、糖尿病、心臓病などの持病がある方
高齢の方では「肺炎」、お子さまでは「インフルエンザ脳症」や「中耳炎」などの合併症が起こることがあります。呼びかけへの反応が鈍い、意味の分からないことを言う、呼吸が苦しそう、といった様子が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。
〇検査はいつ受けるのがよい?
インフルエンザの検査は、発症直後だとウイルスの量が少なく、正しい結果が出ないことがあります。一般的には、発熱してから12〜24時間ほど経ってからの検査が適しているとされています。
また、抗インフルエンザ薬は「発症から48時間以内」に使い始めると効果が期待できます。高熱が出たら様子を見すぎず、早めにご相談いただくことが大切です。
〇日常生活でできる予防のポイント
インフルエンザも風邪も、日々の予防が基本です。
・外出後や食事前の手洗いを習慣にする
・室内の湿度を50〜60%程度に保つ
・十分な睡眠とバランスのよい食事を心がける
・人混みではマスクを着用する
・こまめに換気をする
特にインフルエンザには「予防接種」が有効です。ワクチンは接種してから効果が出るまでに約2週間かかるため、流行が本格化する前の10月〜12月上旬までに受けておくと安心です。
〇こんなときは耳鼻咽喉科へ
次のような症状がある場合は、早めに受診をおすすめします。
・急に38℃以上の高熱が出た
・関節痛や筋肉痛など、全身の痛みが強い
・家族や職場、学校でインフルエンザが流行している
・高熱が3日以上続いている
・一度下がった熱が再び上がってきた
・のどの痛みや耳の痛みが強い
なお、インフルエンザと診断された場合、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」が出席停止期間と定められています。お仕事をされている方も、周りの方への感染を防ぐため無理をせずしっかり休みましょう。
〇まとめ
インフルエンザと普通の風邪は似ているようで、症状の出方や重さが大きく異なります。「いつもの風邪とは違う」と感じたら、我慢せず早めにご相談ください。
入谷耳鼻咽喉科では、インフルエンザの検査・治療を行っております。患者さま一人ひとりの症状やご体調に合わせて、適切な診療をご提案いたします。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にお越しください。

