空がかすむ季節…「黄砂」による喉・鼻のイガイガ、我慢していませんか?

こんにちは。入谷耳鼻咽喉科 副院長の入谷啓介です。
最近、朝起きて外を見たときに「空が白くかすんでいるな」と感じたり、車にうっすらと黄色い砂が積もっているのを見かけたりしませんか?そう、春から初夏にかけて日本に飛んでくる「黄砂(こうさ)」の季節です。
実は最近、診察室でも「花粉症の時期は過ぎたはずなのに、急に鼻水が止まらなくなった」「喉がイガイガして痛い」と来院される患者さんがとても増えています。今回は、この時期に体調を崩す原因となりやすい黄砂の影響と対策について、わかりやすくお話しします。
単なる「砂」ではない?黄砂の正体
黄砂と聞くと、文字通り「黄色い砂」と思われがちですが、実はそれだけではありません。
黄砂は、アジア大陸の砂漠地帯から強風で巻き上げられた微細な砂の粒です。それが偏西風に乗って日本まで運ばれてくるのですが、その旅の途中で、大気中のさまざまな汚染物質(PM2.5や化学物質、細菌など)を表面に吸着させてしまうのです。
そのため、黄砂が鼻や喉の粘膜に付着すると、物理的な刺激だけでなく、アレルギー反応を引き起こしたり、もともとある花粉症の症状をさらに悪化させたりします。粒子が非常に小さいため気管支の奥まで入り込みやすく、喘息(ぜんそく)をお持ちの方や、小さなお子さん、お年寄りは特に注意が必要です。
診察室での一コマ:花粉症との見分け方は?
先日、定期通院されている患者さんから、こんなご相談を受けました。
「先生、花粉症のお薬を毎日飲んでいるのに、ここ数日急に目の痒みと喉の痛みがひどくなったんです。お薬が効かなくなってしまったんでしょうか?」
鼻の粘膜を確認すると、確かに強い炎症が見られました。しかし、これはお薬が効かなくなったわけではなく、ちょうどその数日前に飛散量が多かった黄砂による刺激が原因と考えられました。
花粉症と黄砂の症状はよく似ていますが、黄砂の場合は「喉のイガイガ感や皮膚の痒み、目のゴロゴロ感」が強く出やすいという特徴があります。花粉症の時期が落ち着いたはずなのに症状が長引いている場合は、黄砂を疑ってみる必要があります。
今日からできる!日常生活での黄砂対策
黄砂による不快な症状を防ぐためには、とにかく「体に黄砂を取り込まないこと」が大切です。日常生活で簡単にできる対策をご紹介します。
〇外出時のマスクとメガネ
不織布マスクは黄砂や微粒子の侵入を防ぐのに効果的です。メガネをかけるだけでも、目に入る黄砂の量を大幅に減らせます。
〇帰宅後の「手洗い・うがい・洗顔」
家に入る前に衣服の砂を払い、すぐに手洗いうがいをしましょう。顔にも黄砂が付着しているため、優しく洗顔をすることも目を守るために有効です。
〇洗濯物は部屋干しが安心
黄砂の飛散予測が多い日は、洗濯物や布団を外に干すのを避け、部屋干しにすることをおすすめします。
〇こまめな水分補給
喉が乾燥すると異物を追い出す力が弱まるため、こまめに水分を摂って喉を潤しておきましょう。
つらいときは我慢せず、お気軽にご相談ください
黄砂は目に見えにくいからこそ、気づかないうちに体にダメージを与えてしまうことがあります。「これくらい大丈夫」と我慢していると、副鼻腔炎(ちくのう症)などに進行し、症状が長引く原因になります。
当院では、患者さん一人ひとりの症状に合わせた治療をご提案しています。お薬を上手に使って、この季節を快適に乗り切りましょう。
「いつもと違って喉が痛むな」「鼻水がすっきりしないな」と感じたら、どうぞいつでもお気軽に入谷耳鼻咽喉科へお越しくださいね。診察室で温かくお待ちしております。

