そのイビキ、実は体が悲鳴を上げているかも?『ぐっすり眠れない』を放置しないために

こんにちは。入谷耳鼻咽喉科 副院長の入谷啓介です。
「最近、夜中に何度も目が覚める」「しっかり寝たつもりなのに、昼間に猛烈な眠気に襲われる」……そんなお悩みはありませんか?
また、ご家族から「昨日の夜、イビキがすごかったよ」「一瞬、息が止まっていたみたいで心配になった」と言われたことはないでしょうか。
実は、イビキは単なる「寝相の問題」や「騒音」ではありません。それは、眠っている間に体が酸素不足に陥り、必死に悲鳴を上げているサインかもしれないのです。今回は、耳鼻科医の視点から「質の良い眠り」とイビキの関係についてお話しします。
■イビキの正体は「空気の通り道の悲鳴」です
なぜイビキをかくのでしょうか? 簡単に言うと、睡眠中に喉の周りの筋肉が緩み、空気の通り道(気道)が狭くなってしまうからです。
狭い隙間を空気が無理やり通り抜けようとして、粘膜が振動する。これがイビキの正体です。つまり、イビキをかいている間、体は全力で「細いストローで呼吸をしている」ような状態なのです。
さらに怖いのが、通り道が完全に塞がってしまう「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。
〇10秒以上、息が止まっている
〇それが一晩に何度も繰り返される
こうなると、脳や心臓は休まる暇がありません。血圧が上がり、心臓に大きな負担がかかります。放置すると、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の悪化、さらには心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めることにも繋がってしまうのです。
■副院長からのアドバイス:まずは「お家で」チェックを
「病院に行くほどかな?」と迷われているなら、まずはご自身の睡眠を振り返ってみてください。
〇朝起きた時に、口の中がカラカラに乾いている
〇熟睡感がなく、体が重だるい
〇会議中や運転中、不意に強い眠気に襲われる
〇夜中に何度もトイレに起きる
これらに心当たりがある方は、一度検査を受ける価値があります。
当院では、ご自宅で寝る時に機械を付けるだけでできる「簡易検査」をご案内しています。普段通りのお布団で寝ながら調べられるので、入院の必要もありません。
■最後に:睡眠は、人生の3分の1を占める大切な時間
私たちは、人生の約3分の1を眠って過ごします。その時間が「体の悲鳴」で埋め尽くされてしまうのは、あまりにももったいないことです。
「イビキくらいで相談するのは恥ずかしい」なんて思わないでください。私たちは、鼻や喉の構造を知り尽くしたスペシャリストです。物理的にどこが狭くなっているのか、どうすれば空気が通りやすくなるのか、一緒に解決策を見つけていきましょう。
朝、パッと目が覚めて「今日も一日頑張ろう!」と思える喜びを、一人でも多くの方に味わっていただきたいと願っています。
気になることがあれば、いつでもお気軽に診察室でお聞かせください。

