今からでも遅くない!インフルエンザから身を守る「鉄壁」の習慣

こんにちは。入谷耳鼻咽喉科 副院長の入谷啓介です。
12月に入り、寒さも本格化してきましたね。診察室でも、風邪症状の患者様が増えてきていますが、特に気になるのがインフルエンザの流行です。 ニュースなどで「今年は例年より流行が早い」と耳にされた方も多いのではないでしょうか。
「毎年気をつけているけれど、結局かかってしまう」 「受験や大切な仕事を控えているから、絶対にダウンしたくない」
そんな皆様へ、今回は医師の視点から、今すぐ実践できる「効果的なインフルエンザ対策」を3つのポイントに絞ってお伝えします。
■ポイント1:湿度は「50〜60%」が命綱
インフルエンザウイルスは、寒くて乾燥した環境が大好きです。 逆に、湿度が上がるとウイルスの活動は弱まります。さらに重要なのは、私たちの喉や鼻の粘膜の防御機能です。
粘膜が乾燥すると、ウイルスや細菌を追い出す「線毛(せんもう)」の動きが鈍くなり、簡単に侵入を許してしまいます。
加湿器を活用する:寝室やリビングの湿度は50〜60%をキープしましょう。
マスクをして寝る:加湿器がない場合や、喉の乾燥が気になる時は、マスクをして寝るのも効果的です。自分の呼気で喉が潤され、天然の加湿器になります。
■ポイント2:手洗いは「帰宅直後」だけでは足りない?
「外から帰ったら手洗い」は常識ですが、実はそれだけでは不十分なことがあります。 私たちは無意識のうちに、ドアノブ、スイッチ、スマホなど、様々な場所を触っています。
特に見落としがちなのが「スマホ」です。 せっかく手を洗っても、ウイルスが付着したスマホを触ってしまっては意味がありません。帰宅したらスマホも除菌シートなどで拭く習慣をつけると、感染リスクをぐっと下げられます。
もちろん、手洗いは指の間や手首まで、石鹸で20秒以上かけて丁寧に洗うのが基本です。
■ポイント3:ワクチンは「重症化」を防ぐ最後の砦
「ワクチンを打ったのに、インフルエンザにかかった」 というお話をよく聞きますが、ワクチンの最大の目的は「発症をある程度抑えること」と、何より「重症化を防ぐこと」にあります。
特に高齢の方や小さなお子様、基礎疾患をお持ちの方は、肺炎や脳症などの重い合併症を防ぐために、ワクチン接種が非常に重要です。 流行が始まっていても、接種から抗体ができるまで約2週間かかりますので、まだの方は早めの接種をおすすめします。
■副院長の「こっそり」健康法
最後に、私が個人的に心がけていることを少しだけ。 それは、基本中の基本ですが「徹底した手洗い・うがい」と、疲れた時の「短時間の仮眠」です。
多くの患者様と接する仕事ですので、診察の合間や帰宅時はもちろん、こまめに手洗いとうがいを行って、ウイルスを洗い流すようにしています。 また、「少し疲れが溜まってきたな」と感じた時は、お昼休憩などに15分〜20分程度の短い仮眠をとるようにしています。これだけでも頭がスッキリし、体力の回復にとても効果的です。十分な休養は免疫力を高めるためにも欠かせません。
忙しい師走ですが、皆様も無理をしすぎず、体調に異変を感じたら早めに休養をとってくださいね。 発熱やのどの痛みなど、気になる症状がある場合は、我慢せずに入谷耳鼻咽喉科へご相談ください。
皆様が元気で安心して過ごせるよう、全力でサポートいたします。

